幼少の頃は、親が見ているテレビ番組を見るとはなしに見ているものだ。
母親が『太陽に吠えろ』という刑事ドラマを見ていた為、幼き私も毎週一緒になって見ていた。
内容はそんなに深くは理解できていなかったが、何人かの刑事は犯人に撃たれる・刺されるなどして殉職するシーンがあった。
生まれて初めて見た人が死ぬという場面である。
私は「人間は最後には必ず撃たれて死ぬものなんだ」と思い、父も母も私も人生の最後にはあんな事になるのだと恐怖に涙した。
そして母に泣きながら聞いた。「みんなああやって死ぬの…?」母は「あれはお話。違うよ」と言っていたが、じゃあどうやって人は死ぬのだろう。
私が人生で初めて感じた哲学的疑問であった。
その後も、色々アニメやらドラマやら見ていたとは思うのだが、記憶に残っているのは人が死んでしまう怖い映画。
ヒッチコックの『鳥』や、結構気持ち悪い『ワーム』(だったかな?)、金田一耕助シリーズなど。
一度映画のチケットを貰ったから見に行くぞと言われ、ワクワクしながら「何の映画!?」と聞いたら四谷怪談と言われ、分からないながらもそれ怖いヤツじゃ…とドン引きした覚えがある。
ちなみに、それは冗談でその時は『南極物語』を見に行った。なんでそんな嘘をつくのか謎である。
特に聞いたことは無かったが、今考えると私の親はホラー好きだったのか…?
ホラー系に関してはまだ思い出がある。
小学生の頃、祖母の葬儀で親戚一同集まっていた時いとこのお姉さんに「どらねこちゃん、つまらないでしょう?漫画あげるよ」と貰ったのがホラー漫画雑誌と『悪魔の花嫁』というホラーファンタジー?系のコミック。
当時滅多に漫画なんて買ってもらえなかった私としては、ゾワゾワしながらも全部読んだ。
葬儀の時に出してくるジャンルじゃないと思うのだが、いとこもホラー好きなタイプだったのだろうか。
今でもちょっと覚えているシーンがあったりする。
漫画雑誌に関しては、風邪をひいて小児科に行った時にも備え付けの本にホラーものがあり、それがそこでは唯一の漫画だった為、読んだ。
多少グロ要素のある漫画が含まれていた為、余計に体調が悪くなった覚えがある。
このような英才教育?を経て、今では立派なホラーゲーム好きの大人が出来上がった。
ただし、グロテスクなものや漫画は苦手である。あくまでもサスペンス・スリラー・心霊系のゲームのみである。
それも自分でやるのは怖いので、YouTubeでひとのプレイ動画を見るのが好きだ。
やはり幼少期は記憶も残りやすく、あまり刺激のあるものを見せると精神衛生上宜しくないというのはその通りだなと身をもって体感した。
子どもには子どもらしい、愛と夢と希望に溢れた作品を。そう考えると、アンパンマンが人気なのもわかる気がする。
まぁ私の頃はまだアニメも始まっていなかったし、そんなに好きではなかったが。…という、本日は幼少時の記憶のお話。